今年はぜったい見なきゃ一生の損!?
しし座流星群!

MASA's 流星群詳細観測結果

しし座流星群観望記 原稿募集中

流星群のピークと数を予想の結果!


98年しし座流星群の写真
明るい星は土星です しし座が写っています。

が、これはしし座流星群ではない流れ星です
三重県三重郡菰野町・県民の森にて/M.Mizutani

しし座流星群が終わりました。
とてもマスコミが大々的に報道していましたから、 しし座流星群ブームといっていいほどの、たくさんの人が11月17日の夜、 夜空を見上げました。 流星群のために、明け方まで、各地で渋滞している状態は、最初で最後かも知れませんね。 とにかく、老若男女、天文学者から暴走族まで、日本中の人たちが、 夜空を見上げた日でした。
当日は、北日本や北陸地方や沖縄方面ではとても天気が良くなくて、 雲でまったく見られなかった方もいらっしゃいます。 関東や、東海地方や四国、瀬戸内海あたりでは、ずっと晴れていたり、 晴れ間が見えたりして、いくつかの流れ星が見られたことだろうと思います。

なのですが、今、盛んに言われていますとおり、 日本で、「流星雨」という状態にはなりませんでした。 大体、1時間に多くて5〜80個程度だったようです。 それでも、たくさん大きな流れ星(火球)が見られたりして、 初めて流れ星を見た方は、とても感動したことだろうと思います。
けど、ピークは?といいますと、どうも、 17日の午後2時ごろ(日本時間)に、カナリヤ諸島のラ・パルマで 流星雨が見られたらしいです。
所々で、1時間に2000個くらいの流星雨が・・・と言う話がまわっておりますが、 どうも、最新情報によれば、その話は、4〜5人が観測した流星数をトータルした値であり、 のべの数です。ですから、実際は、1000個前後か、そこまでいかなかったようです。 (最新情報によると、11月17日11時20分頃がピークで、 1時間150〜200個程度だったようです)
といっても、1時間に1000個でしたら、4秒に1個程度の流星です。 そう等間隔に流れるわけではないですから、一時でも、 雨のように見られたのでしょう。 それが、大西洋にあるカナリヤ諸島で見られたようです。
日本は?というと、ちょうど、そこから地球のまったく反対側ですから、 地球の中で一番流星が少なかった地域だったといっても嘘にはならない感じですね・・・。 ふたを開けたら、そんなんだった・・・です。 そんなところで、わざわざ飛行機をチャーターしたり、世界各地から、 見に来たといいますから、かわいそうですよね・・・。 自国の方がたくさん流れ星が見えたみたいなのに・・・。
では、なぜ、予報がそんなに10数時間も外れるような事態になったのでしょうか。 これは、この流星の元となる、ほうき星が落としていった塵の分布が、予報した位置になかった、 それだけです。 流星の元となる塵は、1ミリ程度です。そんなのは、どうがんばったって、地球から 見る事が出来ませんから、どのように分布しているかなんて、その時にならないとわかりません。 天文計算上、その流星の元となるほうき星の軌道を通るのは、18日の午前だったのです。 ですが、そのほうき星の軌道よりも外れた所に、チリがたくさん分布していたということだったようです。 ですから、流星のピークは、日本ではなかったと言うことになったわけです。
でも、最新データによると、ピークは二つあったと言う話です。 だいたいこんなピーク曲線 一つは、そのヨーロッパの方(カナリア諸島)で、もう一つのピーク、小さいですが、 日本で見られた18日午前6時ごろだったようです(1時間100個前)。 まだ、解析中でわかりませんが、小さなピークは、日本で見られたことになります。 右図は、だいたいどのくらいの流れ星が1時間に見えたのかの曲線です。 とても不正確な図です。線で結んでありますが、いろんな地域で観測されたデータを 線で結ぶとこんな感じという状態です。
で、グラフの●(丸)印が、今回日本で見えた部分辺りです。 ※(米印)が、その大西洋方面で見れた部分となるわけです。
もしも、来年、これとおんなじピーク曲線で起こった場合、 ※(米印)部分は、ハワイが当たるそうです。 で、■(四角)部分に日本が来て、●(丸)印にヨーロッパが来ることになります。 来年は、ヨーロッパで、その流星の元となるほうき星(テンペルタットル彗星)の 軌道と交わります。(今年はそれが日本だった。●の場所。 来年なら、日本時間18日午前10時)
ですから、もしも、来年も、チリの分布が今年と同じだった場合は、 日本でも、まぁまぁ今年以上に見れることになりそうですね。 今までのデータを解析すると、流星の元となるほうき星が去っていった2年後に 流星雨になる可能性が高いです。例えば、前回の1966年の流星雨、といいますが、 その元となるほうき星は、1965年の春に通過しています。 1965年は、日本でまぁまぁ流れ星が見られているデータが残っています。 これに似ていますから、来年の方が、流星雨の確率は高いといえます。 ただ、その場所は、まったく予想がつきません。 チリがどこにあるのかは、がんばってもみれませんから。 ただ、ほぼ、満月ですから、見にくいのですが。

とにかくそういう感じですから、来年の11月17〜18日に乞うご期待!ということは 言っても嘘にはならないと思います。

今年、天候やいろんな理由で見れなかった方、来年はみましょうね!
流星群は、しし座流星群だけでなく、近いのは、12月13日未明に「ふたご座流星群」が見られます。 この流星群は、ふたご座(オリオン座のすぐ左)から中心に流れるように見られます。 冬の星座ですから、一晩中見られます。 流れ星は明け方に多いとおもいますので、ぜひ、見てみてください。
他にも、1月4日しぶんぎ座流星群や、8月12日ペルセウス座流星群が多いとおもいますので、 ぜひ、見てみてください。

今回の流星群は、その前後、 けっこう遅くの日まで、たくさんの流れ星が飛んでいるのが確認できました。 また、同時期の「おうし座流星群」も、今までに見ない活発な活動を行っておりました。 でも、18日4時14分の大火球を見られた方は多いと思います。 あれは、伊豆半島から富士山に向けて落ちていったものだったようです。

火球観測状況(三重郡菰野町)

17 20:33 -4等級 ちょうこくしつ座(きれいな水色の痕)
17 23:23 双子座→カシオペア座(明るいというより長い)
18 3:51 -6等級 双子座 爆発、音あり。
18 4:14 -5等級 乙女座 爆発

30分ごとの観測結果(三重郡菰野町)

18日 1:30〜2:00 32個
2:00〜2:30 29個
2:30〜3:00 24個
3:00〜3:30 35個
3:30〜4:00 45個
4:00〜4:30 39個
4:30〜5:00 44個
5:00〜5:11 3個
その後べた曇りへ

詳しくは、 MASA's 流星群詳細観測結果

国立天文台のこのページでは、 しし座流星群の速報が載せられております。

このしし座流星群では、たくさんの一般の方も、夜空を見上げられました。 流れ星を見ていて、事故を起こしてしまった方や、転落してしまった方もいらっしゃいます。 夜ですから、気をつけないといけないということが、分かりましたね・・・。 流星群がきっかけでなくなられた6人以上の方々のご冥福をお祈り申し上げます。


●流星とは?流星群とは?
このページは、98年しし座流星群前に書いた流星についての詳しい紹介の文章です。


しし座流星群関係リンク

  • ASTRO PAGE内のリンク
  • その他のサイト

    17日当日は インターネット中継が行われました! (WNN−U
    (11月17日23時〜18日6時)


    天体現象紹介