月食について

 月食とは、太陽−地球−月と一直線に並んだときのことを言います。
 月食のパターンとしては、「皆既月食」か「部分月食」しかありません。
これはなぜだかわかりますか。まず、月食を逆にして言うと、月から見れば、太陽を地球が隠す“日食"なんです。 で、地球から見た日食の場合、月と太陽の大きさが、見かけの上でほとんど変わらないために、「皆既」「金環」の2種類が起こるわけですが、 月から見たら、地球と太陽の見かけの大きさは、違いすぎます。 地球と月の大きさを比べると、だいたい4倍ぐらい地球のほうが大きいわけですから、月から見た見かけの大きさは、太陽より地球のほうが4倍大きいわけです。 すると、月から見て、地球の縁から太陽が出ているわけないですよね。だから、月から見た地球による“金環日食"いわゆる地球から見た「金環月食」はないわけです。 でも、あったら、神秘的だろうなと思いますが…。 

 では、月食を図で示してみましょう。


皆既月食部分月食

 このように、月食のパターンは、とても単純です。 地球の影にすっぽりと隠れると「皆既月食」、全部は隠れれないときは「部分月食」と言うことになります。 と、単純だと言い切りたいのですが、やはり、世の中フクザツ。月食のパターンで「半影食」と言うのがあるのです。 これは、起こっても、目では、意識してみても、あまりわかりません。そんなに暗くならないのです。


半影食

このような感じで起こるわけです。ですから、部分月食のなりそこねって感じですね。 早く言えば、部分月食の光っている部分は、実はあれで「半影食」なんです。でも、見にくいですよ、実際は。

では、話は戻って、すっぽり隠れる「皆既月食」は、どのように見えるのでしょうか。 皆既日食と違い、月は、光を自ら出していませんから、真暗になる……と思いきや、実は、ほんわか明るいのです。 と言っても、そうとう暗いのですが、良く見ると、赤銅色に光っているのです。赤銅って言うか、オレンジっぽい色です。 でも、前回の皆既月食を見た人はわかるかも知れません。93年6月4日のことです。この日、日本では3年ぶりに皆既月食が見れました。 僕もそりゃ見たわけですが、暗いのです。赤銅色にも光らないと言うくらい、真暗なのです。 これは、その頃、ピナツボ火山・雲仙岳と言った火山が活発に活動し、大気中に、非常に多くの塵があり、見づらいという結果になりました。 結構これは、貴重な体験だったのではないでしょうか。
月を赤く光らせている光は、地球の大気を通過してきた太陽の光と言うことです。 太陽の光の中で、赤い光以外の、波長の短いものは、すべて散乱してしまうのですが、 赤い光だけが、少し屈折して、月に到達すると言うことなのです。

今後の月食表
程度の記号は皆既中の長さ(●→○→◎)(2010年以降は皆既のみ)
日付時間帯種類程度備考
1997/ 9/174時前頃皆既全行程が見られる。皆既終了後沈む
1999/ 7/2820時半頃部分
2000/ 7/1623時 頃皆既
2001/ 1/105時半頃皆既
2001/ 7/ 524時前頃部分
2004/ 5/ 55時 頃皆既皆既中に沈む(月入帯食?)
2005/10/1721時 頃部分
2006/ 9/ 84時前頃部分
2007/ 8/2820時前頃皆既月の出時に欠け始めている
2008/ 8/175時半頃部分欠けたまま沈む
2010/12/2117時過ぎ皆既月の出の時すでに皆既中
2011/ 6/165時過ぎ皆既皆既中沈む
2011/12/1023時半頃皆既
以上、月食についてでした。


天体現象紹介


宇宙艇94冬「日食・月食」(水谷著)より