今年はぜったい見なきゃ一生の損!?
しし座流星群!

左上の斜めの線が97年しし座流星群の流星です!
97年のしし座流星群の写真
(左上が流星)
騒がれている「しし座流星群」。
98年、99年に流星雨(雨のように流星が流れる)が見られるのではないか といわれています。 それも、98年(今年)に、日本でこのピークが見られやすいのではないか と言われています。(98年11月18日午前4時ごろ?)
しかも、この日は、月はほとんどでないため、 暗い流星まで見られることになります。
しかも、10月中に、既にしし座流星群の活動が始まったと言います。 これは、期待された以上の活動の速さです・・・。
それに、来年は満月で日本ではピークは見られないだろうといわれ、 33年後には、条件がとても悪いです。
ということは、今年はもう、見逃すわけにはいきません。

ところで、なぜ、このような事が言われているのでしょう。
これには理由がありますが、その前に、流れ星と流星群について、説明します。

流れ星は、実は、数ミリから数ミクロンという、本当にごく小さな チリのような物質が、地球の大気にぶつかって起こるものです。 ですから、地上約100kmくらい上空で起こる現象です。 決して、星とか銀河とか、遠くで起こるものではなく、地球で起こるものです。
では、なぜ、そんな小さい物質が大気に突入するだけであんなに明るく光るのか。 それは、その塵が突入する速さによるものです。 その塵、実は、毎秒10〜70kmもの速さで移動しているのです。 1秒でです。(しし座流星群は、秒速72kmくらい) そんなに早いですから、その速さのエネルギーが、大気と触れて、 光や熱に変わり、その塵本体や、その周りの空気が発光するわけです。 それが、流れ星です。
その流れ星、よく見える日や、見えにくい日というのがあります。 例えば、8月のお盆前には、流れ星は見えやすいです。 また、今度騒がれている11月17日前後も、毎年、流れ星はまぁまぁ多いです。 多い日はだいたい1時間に30〜50個くらい見られます。 毎年決まった日なのです。どうしてでしょうか。
それは、その毎年決まった日に、地球が同じ場所に来るからです。 太陽の周りをちょうど1年かけて周っていますからね。
では、なぜ、その場所に、流れ星の元となる塵が多いのか。 この塵は、あのヘールボップ彗星などの彗星(ほうき星)が 撒き散らしていった塵だといわれています。 彗星(すい星)は、「汚れた雪だるま」などといわれていますが、 氷と塵で出来てます。まぁ、地球の生命の源とも言えますけど。 その彗星が、太陽の光・熱や風によって溶け出し、彗星本体から吹き出します。 それが、あの尾っぽのように見えるものです。 その尾っぽは、塵で出来ていますから、そのまま、彗星から離れ、宇宙空間を 漂うわけです。漂うといっても、太陽に引っ張られますから、だいたい、 彗星が太陽を回る軌道と同じ位置を塵も周ることになります。 その、周っている塵の場所(彗星の軌道)に地球が通りかかれば、 流れ星がたくさん流れることになります。 だから、1年の決まった日に多く流れるというわけなのです。その多く流れる時期を 「流星群」の活発期と読んでいます。
ところで、流星群は、この「しし座流星群」や、夏の「ペルセウス座流星群」や、 12月の「双子座流星群」のように、星座の名前がほとんどついています。 それはなぜか。
実際にしばらく見ていると気づくと思いますが、その時期のほとんどの流れ星が、 ある星座から四方八方に流れるように見えるのです。 だから、今度のしし座流星群の場合、しし座から四方八方に流れ星が流れることに なります。だから、同じ方向を見ていれば、ほとんど、どちらからどちらに 流星が飛ぶか、見当がつくわけです。
では、なぜそうなるか。それは、先ほど言った、流星のもとになるものに関係します。 流星の元は、彗星が落としていった塵でしたよね。 で、その塵は、彗星と同じ軌道を回っているのでしたよね。 ってことは、その塵も、彗星と同じように太陽を周っている、 塵の進行方向が決まっている、ということなのです。 ってことは、地球の外から見れば、チリは、ある一定の方向にだけ地球に落ちて行く ことになります。 それが、逆に地球から見れば、しし座の方向から四方八方に流れるように見えるわけです。

ところで、騒がれているしし座流星群は、33年ごとに、流星雨を見せてくれます。 ときどき空振りもあるのですが、それはなぜか。 もう、お分かりかもしれません。
33年ごとに、この流れ星の元になる塵を落としていく 彗星が、地球のそばを通過していくってわけなのです。 そして、このしし座流星群の元になる、「テンペル・タットル彗星」が 今年1月、地球の近くを通過したのです!! だから、今年はもしかしたら、すごいたくさんの流星が見られるのでは?といわれているのです。 ちなみに、前回に彗星が通過した1966年では、 1分間に2400個の流星が、アメリカで見られてます。 これが、今年、日本で見れるかもしれないのです!!
ちなみに、33年後のときは、この彗星の軌道が、地球の軌道よりそうとう離れる事となり、 条件が悪いのです。

いつピークになるのか、ピークにどのくらいの流れ星が飛ぶのか、 まったく予想は出来ません。 というか、予想しても、当たる確率は高くはないです。 実際に、10月8日に起こったジャコビニ流星群、予報では、9日午前6時と言われていたのに、 実際のピークは8日午後10時だったという結果でした。 予想は、とても困難なのです。その元となる彗星と地球の起動計算が、 微妙にずれるだけで、数時間以上も変わってしまうのです。 だから、はっきりとはいえませんが、たぶん、11月18日の明け方に、 東アジアで、流星群のピーク(流星雨)が見られるのではないかと言われています。 それも、流星雨のように見られるのは、もしかしたら、数分くらいかもしれないし、 数時間続くかもしれない。だから、出来れば、ずっと目を離したくない。

どの方向に見えるのか、それはまったくわからない。
というのも、全天を使って流れ星は流れるのだ。 先ほど言ったように、この流星群は、しし座から四方八方に流れるように見える。 ということは、しし座で見えるわけではなく、それより遠い方向の方が、早いが長い流星が みえることになる。だから、どこを見ていても、流星は見れると思うが、 やはり、多くみたいなら、しし座方向なのかもしれない。
しし座は、当日、真夜中の12時ごろに東の空から見え始める。 だから、それまでは、あまり流れ星が流れるのは好くないとおもわれるが、 明け方にかけて、どんどん東からしし座が登ってくる。 東から登ってくるわけだから、 東が開けている空の暗いところで見るのがベストだろう。
また、流星を見るには、全天が見渡せれるように、寝転ぶのが一番です。

このしし座流星群の流れ星の特徴は、早くて明るい流星が多いです。 薄曇をとおしてもみれる流星も多いほどです。 また、流れた後にも、ずっとその場所が光る「痕」が残る流星も多いです。 ぜひ、それにも注目してみましょう。

明かりを消して空を見上げよう!の運動
11月17日21〜22時に 明かりを消して、星を見上げてみようという運動です。 この時間がピークではないですが、 子供たちはもちろん、しばらく星を見ていない大人たちにも 星の美しさを思い出してもらうためです。
 →呼びかけのページ
呼びかけ:竹部さん@大阪



なにをすればいいの?

この日(11月17日夜)は平日、次の日に会社や学校がある人がほとんどでしょう。 でも、流れ星は、明け方に多いのではといわれています。 ってことは、早目に寝ておいて、明け方早く起きてみるのが一番かもしれません。 もう寝過ごしたら、一巻の終わりですけどね。
ってことは、自宅付近で見ることになるかもしれません。 この時間(明け方)だと、空が街の明かりで眩しくて見えにくい・・・ってことも そうないでしょうし、環境庁も、11月16〜20日に「グリーンライティングキャンペーン」という 屋外照明を考えるキャンペーンも行っています。 ってことは、自宅から見ても十分ってことでしょう。
では、どうすればいいのか。
別に、下に何かをひいて寝転がって上だけ見ればいいのです。風邪だけひかないようにして。 でも、それじゃちょっと物足りないという方、流れ星を数えてみてはどうでしょうか。 例えば1時間、30分、10分とかにくぎって、例えば3時00分から3時10分までに いくつ流れたとか記録するのです。それで十分な流星観測といえます。 また、もし、余裕があれば、その流れたのが、何時何分何秒だったか、とか、 明るかったのか暗かったのか、速かったのか遅かったのか、流れ星の跡が残らなかったか、 なーんてできたら、もう、立派すぎるほどの流星観測です。
こんな観測してみましたっていって、日本流星研究会 にお知らせするのもいいだろうし、高校生は特に、 しし座流星群全国同時観測会と題して、行うので、 参加してみてはどうだろうか。(10月末日締め切り)
このページでも、観測結果を掲載する予定なので、 もし、情報提供していただける方がいれば、 メールでお教えください!

まぁ、難しいことは抜きにして、ぜひ、このいい機会を逃さないよう、 たくさんの人が、天から降る流星雨が見られることをお祈りしています。


しし座流星群関係リンク

  • ASTRO PAGE内のリンク
  • その他のサイト

    17日当日は インターネット中継が行われました! (WNN−U
    (11月17日23時〜18日6時)


    天体現象紹介


    しし座流星群98