土井宇宙飛行士の活動

11月20日未明、土井隆雄さんが、アメリカのスペースシャトル「コロンビア」で、 打ち上げられた。

打ち上げた初日、スペースシャトルから放たれ、軌道にのせるつもりだった 太陽観測衛星に、ロボットアームから放した直後、欠陥が見つかり、 そのロボットアームで、捕まえようとしたが、失敗、かすったため、 毎秒2度で回転する形になってしまった。
その状態では、ロボットアームで、その衛星を捕獲するのは、ほぼ不可能である。
NASAは、頭をひねり、船外活動(宇宙遊泳=EVA)により、 シャトルで、その衛星に徐々に近づきながら、二人で、足を固定し、 その衛星を手掴みで捕まえようと計画、 日本時間の11月25日午前9時15分から、土井さんとスコット飛行士が、 衛星を待ち構えた。
そして、2時間後の、11時9分ごろ、無事、衛星を捕獲した。 そして、少し手間取ったが、12時23分頃、スペースシャトル荷物室に固定した。

捕獲した衛星は、元の位置に戻され、その後は、従来、土井さんたちが 宇宙ステーション建設のための実験となる宇宙遊泳を行った。 内容としては、金属クレーンは、重い荷物を手動できちんと運ぶかである。
また、ネジを固定する実験なども行われ、当初、6時間のはずだった宇宙遊泳は、 土井さんたちの体調もよかったこともあり、7時間に延長され、日本時間 午後4時15分まで、行われた。

日本人としては、初めての宇宙遊泳ということになった。
また、宇宙滞在期間が、1日延びる可能性が高い。 シャトルの燃料などを調べてみて、それが可能であれば、 土井さんたちが回収した太陽観測衛星を再放出したあと、 また、土井さんたちの2人が、回収する可能性も高かったが、 30日、太陽観測衛星の姿勢制御装置の不具合から再放出を断念した。

そして、日本時間の12月3日午後6時ごろから、土井さんたちは 二度目の宇宙遊泳を行い、クレーンのテストと、ボール型をしたリモコンで動く カメラのテストを行った。

そして、12月5日午後9時20分(日本時間)、土井さんを乗せたスペースシャトル「コロンビア」は、 16日間の飛行を終えて、アメリカフロリダ州に帰還した。 地球を約250周した。


土井さんの公式ページはこちら
http://jem.tksc.nasda.go.jp/JEM/Jem-j/sts87/index.html


写真は、打ち上げ・着陸の写真は、宇宙開発事業団のホームページより引用、 船外活動の3枚の写真は、NHKテレビで放映されたNASAテレビを撮影したものです。